コラム

コース料理のデメリットから見る『SMプレイをコース料理にしてはいけない理由』

レストランのコース料理にあるメリットとデメリット。それは見方によっては、SMプレイにも通ずるものです。

今回はフルコース料理のデメリットの観点から、SMプレイをコース料理にするべきではない理由について解説していきます!

一見、多種多様の料理がおなかいっぱい食べられてメリットが多いコース料理。ですが、その特性ならではの短所にも目を向けてみましょう

1.料理の注文をする時に話が膨らまない

レストランで単品料理を注文する時に「何頼む?」とお互いに会話する時間は、特有の有意義さがあるものです。SMプレイにおいてもこの「何にする?」があるからこそ、その後の時間が豊かなものになります。

お互いの性癖への話し合いと理解と尊重、そして良い意味での妥協と歩み寄りがあってこそ、2人ならではのプレイができるというものですよね。その話合いも無く「今日はこのプレイをするから」と、シェフ(S側)がオードブルからドルチェまで何もかも決めてしまっているフルコース料理は、やはりどこかで歪さが生まれます。

当然「言われたことを全てやる」という関係性やプレイにロールプレイング的な喜びを感じられるのであれば別ですが、そうでないのなら「一緒に決める」という対等性を持った方がより豊かな時間が待っている、と私は思います。

2.好みではない料理でも食べ切らなくてはいけない

レストランで決められたコース料理には、あなたの好き嫌いは考慮されていません。アレルギーでしたら事前に伝えることはできても、ただ「これはあまり好きじゃない」程度でお残しをするわけにはいかないのです。

マゾと一言で言いますが、そのフェチズムはまさに多種多様。鞭や蝋燭ひとつ取ってもそのカテゴリの中で幅広い好みやシチュエーションがあります。罵倒されることは好きであっても「このワードだけは言われたくない」という場合もありますよね。

ですがフルコースで用意されたプレイですと、そんな「燃えないプレイ」「嫌なプレイ」まで受け入れなくてはいけません。料理が1つでも抜けてしまうとそれは完成されたフルコースではなくなってしまうからです。コース料理は、ストーリー仕立てなのですから。

3.次の料理が来るまでの時間を待たなくてはならない

コース料理で懸念すべきこととして「自分で料理のタイミングをコントロールできない」ということが挙げられます。もちろんこれは単品注文でも同じことなのですが、単品と違ってテーブルに並ぶ料理の数が多いフルコースではこの「料理ごとの待ち時間」の回数が必然的に上がります。

それを毎回楽しみに待つことができるのは、全ての料理を楽しみだと思えるからです。そうでない場合はこの待ち時間でさえもテンションを下げさせる要因になります。またそれまでの料理がどれだけ美味しかったとしても、待ち時間が異様に長ければその間におなかも膨れてしまいます。

プレイにおいても同じことです。いくつものタイプのプレイが多ければ多いほど、その間の待ち時間も増え、そして「食事中の時間」も増えます。適度な長さを越えると、美味な料理も必要過多の濃すぎる味に。本来の味わいや快感を失ってしまいます。「待ち時間の長さによって生じてしまった食事中のトイレ」なんて、最悪です!

4.おなかがいっぱいなのにデザートを待たなくてはならない

実際のフルコース料理でもこの辛さを味わった人は多いのではないでしょうか。前述の通り、フルコース料理はストーリー仕立てです。味覚も嗅覚もメインディッシュをピークにするためにオードブルなどが考えられ、興奮をデクレッシェンドしつつ終着させるためにデザートが用意されます。

ですが時として、興奮は「ピーク」で終了となります。ピーク後のなじり、トーク、罵倒、痛みや快感のデクレッシェンドなどは「余計なもの」となってしまいかねないのです。もうおなかがいっぱい、もう痛みも快感も満腹。けれど待ち受けているデザート。せっかく用意したものが、押し付けがましいものになってしまう……。

それはSにとってもマゾにとっても思わしい事態ではありません。ですがマゾとして受諾しないというわけにもなかなかいきません。「本当はここで終了してくれれば最高の余韻が楽しめるのに」と思いつつも、用意された「余韻」という名のプレイを受け入れるしかない。「別腹」は時として毒にもなるのです。

まとめ~メニューはふたりで決めるもの~

いかがでしたか?SMプレイをコース料理にしない方がいい、という内容でした。

もちろん本文中にも述べた通り、用意されたコースだからこその快感もあります。SMクラブなどのお店ではとても長いメニューやオプションもありますよね。

ですがそれはあくまで「マゾが選ぶ側」だからこそ成り立つものです。押し付けられたコース料理、そしてプレイはモヤモヤ感しか残らないことも少なくありません。

SとM、お互いに心地よい譲歩と思いやりがあってこそのプレイ。SMにおいてコース料理を頼むのなら、シェフとゲストが一緒にメニューを創作していきましょう